■音楽CD5枚+DVD1枚の合計6枚のセットボックス。
(初回出荷分はT.REXファンクラブ=SOLID COMAPNY=からのオマケCD付き)
マニアックなファンなら既に聴いた事のある音源ばかりかもしれないし、DISC1とDISC2は1999年にテイチクから発売されたアルバム
'Marc Bolan&T.Rex Spaceball'[review]と一部を除いてほぼ同内容。ただし、このアルバムにはラジオでのインタビューが収められているのが「マーク・ボラン・ファン」には嬉しい。
■CAFEでさりげなく流してみたい
ライブ音源(DISC3,4)に関しては、既に聴いた事のあるものも多いが、中にはブートでしか入手出来ない音源も含まれている事を特筆したい。全体の構成を見たときには、その多くは既存の正規ディストリビューターから発売されているアルバムで聴く事が出来るが、例えばそれらをいまから纏めようとしたり、新たに集めようとすると、それは、相当ややこしい作業になる。
そのややこしさを解消してくれたという点では、このアルバムには多大な評価を与えても良いと思う。ただでさえリリースするのに困難なこうした内容のライブ音源をCD2枚にまとめたパワーには、制作者達のT.REXに対するただならぬ愛情がうかがう事が出来る。
音質こそ決して良いと言えるものではないが、スピーカーから出てくるその当時の空気感は、ノスタルジックなように見えて、新鮮な感動を与えてくれる。
こうした楽曲にスパイスとして加えられたボックス同封のブックレットの内容も、情報として信憑性の高いものであるし、質の良い写真が多用されている。さらには、これらの良質な情報源のコーディネートをCliff氏(T.REXのBiographyの著者。現在国内でも入手可能)の協力があった事にも好感が持てる。
■13分にも及ぶインタビューは必聴!!!
さて、DISC5のDEMO音源集について。こちらはあまり出回っていない未発表DEMOと、スタジオセッションのコンピレーションとなっている。スタジオセッション部分は、
Electric Warrior Sessions(TECW-20640)で入手可能なのだが、前述のように流通数の少ない未発表デモトラックは、ブート集めにそれほど興味のないマニアックなファンには都合の良い存在であると思えるし、実際そういったファンも多いと思う。
T.REX TRIBUTE A FOUR RECORD SETというLP4枚組みのブートがある。これは、初期から後期までのレアなトラックを集めた有名なボックス・セットなのだが、こうしたLPのソースとなるオープンリールがCD化されることも祈りつつ、最後に私の感想を書いてみる。
■これさえあれば黄金期のコレクターズ・アイテムは完璧?
本音を言うと、もう音源としてのブートや未発表曲という名のDEMO TAKE TRACK はいらない。集めだしたらキリがないからだ。(実際そこまで躍起になって集めていないし)
今欲しいと思うのは、映像である。動く映像、それが、T.REXを体感したファンにとっても、そしてT.REXの魅力に惹かれつつある若いファンにとっても、最も伝わりやすいメディアだから。
今や私の「狙い」は来年の春に発売される予定の映画[Born To Boogie]に向けられている。未発表の「良質な」映像を特典として盛り込むというから、今からへそくりを作ってしまうほど待ち遠しい。
より深く臨場感が伝わるライブ映像や、当時のテレビ番組の映像が登場する事で、無作為に発売されるブート音源や未発表音源集などへ一端終止符を打って欲しい。
とにかく、我々に必要なのは、動くマークであって、その為には、T.REXの映像が観たいがために、ダウンサウスロンドンの若者達がTVを買ったのと同様に・・・
※T.REX Tribute a Four Records Setはイベント等の機会がある時にかける予定です
※オマケCDについては初回出荷分のみです。
2004/08/19